由来・歴史
ところてんは、はるか遠く奈良時代に由来しています。
当時活況だった遣唐使によって中国からところてんの作り方が伝来し、日本で作り始められたといわれています。
奈良時代の古文書群「正倉院文書」には、ところてんの漢字表記「心太」の文字があらわれており、これが歴史文献におけるところてんの初出です。
また当時の平安京ではところてん屋が出店していたといわれ、早くも商品として流通していたのではないかと見る向きもあります。
いずれにしても、ところてんは古代をたずねるほど歴史的に大きなスケールをもった食品であったのは間違いありません。
その後、ところてんは古代から中世へと世が変わっても発展をつづけました。
室町時代には京都の西山で加工業が盛んになり、ところてんの加工性や生産性も高まって、特権階級を中心に普及がすすんだといわれています。
そして、江戸時代に入ると社会が安定したことで、着実に庶民へ浸透していき大衆和菓子となりました。
ところてんは、もはや貴族だけの食物ではなく、広く大衆社会に根をおろして国民のデザートとして定着することとなったのです。
現代に入っては、地域性も生じて、土地ごとに異なるさまざまなところてんの味が楽しめるようになりました。
デザートとして、間食として、あるいはダイエット食品として、朝な夕なに多くの人々の間で食されています。
特徴
ところてんは、煮てどろどろにした天草(テングサ)を冷やし固めたものを、突き器を使って麺状に押し出して作ります。
原料は寒天と同じですが、寒天では天草の水分を抜くのに対して、ところてんは水分を抜く工程はありません。そのため、ところてんは寒天と比べて海藻の磯の風味が濃厚です。
外観は半透明の爽やかで上品な見た目が特徴です。無色と思われがちですが、茶褐色や緑色など、天草の種類によって、また天草を乾燥させる期間によって色が変化します。
ところてんの味は、地域によって味付けが異なっており多種多様です。関東では二杯酢(酢醤油)をベースに生姜や和辛子、ねぎ、海苔を添えて食べます。関西では砂糖や黒蜜で味付けを行い、デザートとして食べるのが特徴です。よって、東の醤油・西の黒蜜と分類できます。
他にも、東北・四国では味噌やだし汁を用いた味付け、名古屋・中部地方では三杯酢による味付けがあるなど、ところてんの味わいは地域によってバリエーションがあります。ただいずれの作り方でも、独特のコシと粘りのよさはところてんの共通した魅力です。
最後に、ところてんは低カロリーでありながら食物繊維を多く含んでいます。そのため和菓子であると同時に、美味しく食べながらダイエット効果も期待できるヘルシー食品です。
分類や原材料
分類(水分量) | 生菓子 |
---|---|
分類(製法) | 流し物 |
主な原材料 | 天草、黒蜜または三杯酢など |
利用シーン
ところてんは多目的な和菓子です。おやつ、デザート、間食はもちろん、低カロリー&栄養豊富の利点をいかしてダイエット食品としても活用できます。手土産にしたり、贈答用にしたり、手作りするのもOK。時期はオールシーズン対応です。
- おやつ、間食、おかず
- お土産、御礼、贈り物
- 出産、結婚、誕生日などお祝い
- 手作り
有名なところてん
参考資料
- 東の酢醤油、西の黒蜜 ところてんの食べ方、なぜ違う
- 東海地域のおやつ文化を教材とした保育内容 「環境」 の一考察: ところてん, 鬼まんじゅう, 栗きんとん, 駄菓子
- ところてんQ&A |味工房うめきん
ところてんのレビュー
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