由来・歴史
いちご大福の歴史は現代も現代、昭和末期にはじまりました。
バブル経済で知られる空前の好景気に沸いた1980年代後半、複数の和菓子店でほぼ同時にお目見えしたのが出発点です。
開発者には諸説あり、元祖をうたう店が全国に点在しているため、詳細な起源はわかりません。
ただ、いちご大福のモデルは、いちごのショートケーキに由来しているといわれています。
いちごのショートケーキは不二家の創業者・藤井林衛門(1885年〜1968年)が考案したものですが、これを参考にして作られたのが現在のいちご大福というわけです。
この点、いちごを和菓子の具材に用いたアイデアは、一見革命的に見えながら、実際は自然な流れだったといえるかもしれません。
一方、いちご大福は、フルーツ大福の中では最も長い歴史をもつ古株です。
今でこそ、オレンジ、キウイ、マンゴー、ブドウなど多様な果物を包んだフルーツ大福が売られていますが、そのさきがけとなったのが、他でもない「苺」(いちご)だったのです。
いちご大福は昭和末期に誕生して以降、ブーム到来もつかの間、あっという間に認知・定着をはたし、現在は「大福アレンジ」の帝王として君臨しています。
いちごと大福、まるで初めから夫婦であったかのように…ナチュラルな一体感を見せる究極のコラボが生み出した和菓子界の奇跡です。
特徴
いちご大福は、求肥やお餅の中にあんといちごを包んで食べる和菓子です。
元祖・大福の派生品ですが、大福といえば、いちご大福といわれるほど、フルーツ大福のカリスマと見られています。
風貌は丸々とした素朴な餅菓子です。しかし、一口食べると、中に鮮やかに赤く輝くいちごの宝石が姿をあらわします。
と同時に上品なあんの甘い風味とほんのり甘酸っぱい、いちごの香りが口の中に広がり、お菓子とフルーツの旨味を同時に満喫できるのが、いちご大福ならではの至福です。
大福の材料は、求肥、小豆、砂糖、水飴など最小限ですが、そこにいちごが加わるだけで、甘みと酸味がほどよく溶け合った独特の風味が完成します。
いちご大福の外皮の色は、ナチュラルとピンクに着色したものがあります。ナチュラルの場合、外からうっすらイチゴの色が透けてみえる様が神秘的です。
一方、いちご大福は種類も豊富。豆大福にいちごを入れたもの、白あんといちごを詰めたもの、中ではなく外側にいちごを使用したものなど、菓子店によってレシピが異なります。
全体的には、いちごを丸ごとすっぽり求肥で包んだものと、外皮の切れ目にいちごをセットしたもの、2パターンが主流です。
ただいずれにしても、いちご大福の魅力は異文化の創造的な融合にあります。
いちご・お餅・あんこ。赤の他人が大福の名のもとに結集し作り上げたオリジナルの和菓子…それが、いちご大福です。
分類や原材料
分類(製法) | 餅物 |
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分類(水分量) | 生菓子 |
主な原材料 | いちご、餅粉、小豆、砂糖 |
利用シーン
素朴にして華麗ないちご大福は、あらゆるシーンに映えるお菓子です。自宅の食卓はもちろん手土産としても喜ばれます。ただ日持ちが短いため、人に贈る際は賞味期限に注意しましょう。販売期間は一年中、季節に関係なく食べられます。
- おやつ、お茶請け、デザート
- 手土産、見舞い、快気祝い
- お誕生日、パーティ
- 家庭で手作り
有名ないちご大福
参考資料
大福のレビュー
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