みぞれ羹の由来・歴史や特徴

みぞれ羹のイラスト(和菓子の魅力)
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由来・歴史

みぞれ羹が歴史に姿を現したのは、江戸末期の1865年頃です。

直前の江戸中期までに、寒天を使用して固めた練り羊羹が定着しており、これをベースにみぞれ羹が作られました。

みぞれ羹の新しさは、寒天で羊羹生地を作り、そこへ道明寺粉を加えたことにあります。

それまでの発想にはなかった、寒天に米粉を散らして霙(みぞれ)を演出するという画期的な製法は、当時の人々に相当なインパクトを与えました。それが証拠に、みぞれ羹は後に「道明寺羹」とも称されるようになります。

この点、みぞれ羹の由来は平安時代にあるといっても差し支えありません。みぞれ羹の主材である道明寺粉が生まれたのは平安時代だからです。

7世紀に建立した道明寺(大阪府藤井寺市)で、尼僧が乾燥したもち米を粉状にして保存食を作ったことが、道明寺粉のはじまりでした。

その道明寺粉と練り羊羹が時を経て幕末にめぐり合い、意気投合、鮮やかにコラボして完成したのがみぞれ羹だったというわけです。

みぞれ羹は誕生後まもなく、高級和菓子の一つにラインナップされます。

かの渋沢栄一が1905年(明治38年)に企画し、徳川慶喜や伊藤博文などそうそうたる有力者達が出席した茶会においても、みぞれ羹は主菓子として供されました。

現代では、みぞれ羹は暑さを和らげる夏の和菓子として用いられており、人々の味覚と視覚を楽しませ続けています。

特徴

みぞれ羹は、錦玉羹に道明寺粉を加えて型に流し込み、冷やし固めて作った涼感たっぷりな夏の和菓子です。

錦玉羹とは、寒天・砂糖・水飴を混ぜて煮溶かして作ったゼリー状の素材です。そこへもち米を粉状にした道明寺粉を加えて散らすことで、みぞれ舞い散る白銀世界のみぞれ羹が完成します。

みぞれ羹の見た目は、羊羹と同じく棹物の形状です。寒天という名の透明なガラス張りのショーウィンドウの中で、白い粒状の道明寺粉がみぞれのように舞って見えることから、みぞれの名が付けられています。

ただし、中に餡を入れたり、果実やナッツを入れたり、アレンジ次第で外観は変幻自在です。赤・黄・青・緑など自由に着色も可能なため、カラフルなお菓子のオブジェも作れます。

みぞれ自体は初冬・初春の風物詩ですが、吹きガラスのように透明で美しいみぞれ羹は、やはり夏向きの涼しげな和菓子です。

味わいも、夏にぴったりの爽快な味と食感が楽しめます。寒天と道明寺粉によるもっちりした食感、みずみずしい歯ざわり、軽快なのどごし、コクのある餡の甘みなど、洗練された美味しさは感にたえません。

みぞれ羹の中に入れる具はこしあんが定番ですが、みかんやりんごなど果実、ナッツ、木の実、ニッキなどバリエーションが豊富です。

いずれも口に美味しく目に麗しいみぞれ羹は、食べるだけでなく、観賞用の工芸菓子としての役割も果たしています。

分類や原材料

分類(水分量)生菓子
分類(製法)流し物
主な原材料寒天、道明寺粉、小豆、砂糖

利用シーン

みぞれ羹は見た目も中身も高級感たっぷり。自分用に買うのもよいですが、目上の人への手土産や大切な人へのプレゼントにも適しています。オリジナルを自宅で手作りするのもよいでしょう。購入先はリアル店舗だけでなく通販も可能です。

  • おやつ、茶菓子
  • 七夕など行事食
  • 手土産、ギフト、内祝い
  • 運動時のエネルギー補給
  • 手作り

有名なみぞれ羹

参考資料

みぞれ羹のレビュー

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