すあまの由来・歴史や特徴

すあまのイラスト(和菓子の魅力)
目次

由来・歴史

すあまの歴史については、江戸時代の木場(現東京都江東区)で誕生したと伝えられています。

江戸中期の成立と見られる百科事典「類聚名物考」には、しんこ・白糸・よりみづ等、すあまの別名をあらわす言葉が複数出現しており、江戸期の木場で誕生したとする説と年代的によく符号します。

また、すあまと「お七夜」との関係性も一考に値するテーマです。

お七夜は、赤ちゃんが生まれてから7日目の夜を祝して行う平安以来の伝統行事です。お祝いの席では赤飯等の料理とともに、「紅白の鶴の子餅」がそえられています。

鶴の子餅は、鶴の子の卵をかたどったすあまの一種です。よって、すあまの源流が平安期にあった可能性も示唆されています。

お七夜が始まった平安時代の時点で鶴の子餅があったかどうかは不明ですが、すあまの由来をたずねる上で記憶にとどめておく価値はあるでしょう。

さて、江戸で生まれたすあまは、東日本一円に広がっていきました。現在も、七五三や結婚式など折々に祝い菓子として用いるなど、すあまは東日本の人々にとっては身近な存在です。

まるで明暗がわかれたように西日本ではほとんど見かけませんが、そのことがかえって、“東日本の和菓子”としての「すあま」の立ち位置を際立たせています。

すあまの歴史がなお発展途上にあるとすれば、今後は西日本に普及することも考えられます。その行く末を見守るのも一興でしょう。

特徴

すあまは、上新粉に砂糖を混ぜて水で蒸して練り上げ、蒲鉾状や鶴の卵に成形して作るシンプルな和菓子です。

求肥のようなもちもちとした食感、ほどよい舌ざわり、ほのかに伝わる甘みなど、全体に控えめですが、上品な味わいに飽きのこない魅力があります。

すあまの名称は「うす甘い」に由来するといわれますが、事実なら、すあまの甘味度は名は体を表すものとなっています。

形状は蒲鉾状と鶴の卵型が主流ですが、色はピンクや緑が多いため、ムード的には春を連想する季節菓子のたたずまいです。

鶴の卵に見立てたものは「つるのこ」や「鶴の子餅」と呼ばれ、東日本では年中行事や祝い事で食されるなど昔から親しまれています。

すあまは東日本で食べられるお菓子であり、西日本ではほとんど普及していません。また、「すはま」という和菓子もありますが、すはまとは材料も作り方も違う別のお菓子です。

一方、すあまの中にもバリエーションがあります。一部地域では普通より柔らかめに作ったり、上白糖・和三盆など高級な材料を用いたりして、普通のすあまとの差別化を図ったものがあります。

それでも、すあまの本質はシンプルイズベスト。

「より少ないことは、より豊かなことである」(建築家ミース・ファン・デル・ローエ)の名言を地で行く和菓子です。

すあまは上新粉と砂糖だけで構成されていますが、それでも上品で豊かな味わいを提供します。

分類や原材料

分類(水分量)生菓子
分類(製法)餅物
主な原材料上新粉・砂糖

利用シーン

鶴の卵をデザインしたすあまは、関東では縁起のよい菓子として有名です。節分やひな祭り、出産、入学、成人、結婚式など行事食や慶事に用いられます。高級感があるため贈答品にも活用できますし、材料や作り方が簡単なので手作りするのもおすすめです。

  • 年中行事、慶事、ハレの日
  • 贈答品、ギフト、お土産
  • おやつ、お茶請け
  • 手作り

有名なすあま

参考資料

すあまのレビュー

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