椿餅の由来・歴史や特徴

椿餅のイラスト(和菓子の魅力)
目次

由来・歴史

椿餅の由来は、中国伝来のお菓子「唐菓子」にあるとする説が有力です。

唐菓子は奈良〜平安期にかけて渡来し、複数の種類のお菓子を日本にもたらしました。そして、それらの製法に影響を受けて今日の椿餅の原型が作られたと考えられています。

ただ、当時の椿餅は、餅の粉とツタの汁を煮詰めた甘葛(あまずら)をこねて生地を作り、椿の葉で挟んで食べていました。

甘味料として甘葛があったとはいえ、甘いあんこはまだ入っておらず、今日のような意味での甘味には乏しかったと想像できます。

それでも椿餅は当時の貴族階級を中心に広がりを見せ、蹴鞠(けまり)の際のおやつとして食べられるなど人気を博したようです。

例えば、平安中期に成立した辞書「和名類聚抄」には椿餅の名が記録されています。また、紫式部でおなじみの「源氏物語」(平安中期成立)の中にも、「つばいもちひ」の名で椿餅が登場しています。

さらに、ツバキ自体も春の季語として「万葉集」(759年〜780年ごろ成立)に掲載されていたことは、有力な補完資料となるでしょう。

まさしく椿餅はよく言われるとおり、“日本最古の餅菓子”という言葉がぴったりな和菓子です。

その後、椿餅の甘味料は甘葛から砂糖にバトンタッチし、餠の中には甘いあんこも入るようになり、甘くておいしい餅菓子へと成長をとげて今日に至っています。

一方で、椿の葉っぱで餠を挟む風情ある姿は、平安の昔からずっと変わっていません。

特徴

椿餅は、道明寺粉で作ったお餅の中にあんこを入れ、椿の葉っぱで挟んで食べる餅菓子です。

日本最古の餅菓子との呼び声も高く、古来より、椿が旬を迎える冬から早春にかけて食されてきた長い歴史を持っています。

椿餅のレシピは、道明寺粉などもち米の米粉を使用して餅を蒸し上げ、砂糖、塩を混ぜ合わせ搗き上げて作ります。

中に入れるあんこは、こしあんが定番ですが、粒あんや白あんでもOK。いずれを選んでも美味しく、餅菓子ならではのもっちりとした食感と豊かな味わいが楽しめます。

ただし、具材や味付けを問わず、椿餅のフィーリングを決定づけるのは椿の葉っぱです。

椿の葉は、冬に赤い花を咲かせる常緑高木として有名なツバキの木に出る葉っぱとして知られ、他と比べて葉が厚く、表面がツヤツヤとしています。

材料的には素朴な椿餅も、椿の葉っぱを挟むことで、にわかにオシャレで艶やかな美しい餅菓子へと変貌をとげるのです。

椿餅を食べるとほっこりしますが、同時に気持ちが明るくなります。それは生き生きとした椿の葉っぱがムードを高めてくれるからです。

初めて葉で挟んだ餅菓子を選ぶ方は、どれが椿餅なのか分からないと思うかもしれませんが、ご安心ください。

椿の葉は、桜の葉や柏の葉とも異なる独特の雰囲気があります。

寒い冬にもかかわらず、強い生命を感じさせるツヤツヤとした葉に挟まれた餅菓子を見かけたなら…それが椿餅です。

分類や原材料

分類(水分量)生菓子
分類(製法)餅物
主な原材料米粉、砂糖

利用シーン

椿餅は歴史がありますが、意外にも神事用としての色合いは薄く、民間的な和菓子として、おやつ、お茶請け、手土産、贈答用まで幅広く利用可能です。購入できる場所は和菓子店だけでなく、スーパーや百貨店、ネット通販でお取り寄せもできます。

  • おやつ、お茶請け
  • 手土産、ギフト、贈答用
  • 法事の際のお供え
  • 家庭で手作り

有名な椿餅

参考資料

椿餅のレビュー

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