つやぶくさの由来・歴史や特徴

つやぶくさのイラスト(和菓子の魅力)
目次

由来・歴史

つやくぶさは、漢字で艶福紗と表記されますが、名称の由来は「袱紗(ふくさ)」からきています。

袱紗は祝儀や香典のお金を包むための風呂敷です。冠婚葬祭用の包みとして有名ですが、茶道具を拭ったりきれいにしたり茶道でも用いられます

つやぶくさは、この柔らかくて上品な質感をもつ袱紗に似せて作られました。

一方、和菓子としてのつやぶくさの発祥や由来はミステリアスです。いつどこでどのように、誰によって袱紗を題材に作られたかという、舞台裏を記録した文献は多くありません。

ただ、明治時代の製法書である「日本菓子製造独案内」につやぶくさの記述があるため、少なくとも明治時代にはつやぶくさが歴史に登場していたといえるでしょう。

ちなみに、金沢では「ふくさ」また「ふくさ餅」として知られています。ふくさの発展のいきさつに関しては、茶道の影響を受けて成長したと思われます。

ふくさ・ふくさ餅が生まれた金沢は茶文化が盛んだった土地柄であり、かつ茶道具でもあった袱紗(ふくさ)の名を冠していることが何よりの証拠です。程度はわかりませんが、茶道と浅からぬ接点があったことは間違いありません。

現在のつやぶくさは、金沢だけにとどまらず、伝統和菓子の一つとして全国各地で親しまれています。

特徴

つやぶくさは、小麦粉に卵、砂糖、水、膨張剤などの材料を混ぜて作った生地に、あんを包んで焼き上げる和菓子です。

「逆ごね法」と呼ばれる独自の製法により、無数の気泡が表面にあらわれる奇抜なデザインを特徴としています。

一般的な焼菓子のレシピは、グルテンを出さないように卵から先に混ぜますが、つやぶくさでは粉から先に混ぜてグルテンを出したうえで、卵や砂糖を加えていく製法です。

そのため、つやぶくさは焼いた生地の表面に気泡がむき出しとなり、まるでハチの巣のような荒涼とした外観を形成します。

ぶつぶつとしており、お世辞にも端正な姿とはいえませんが、ふっくらふわふわとした上品な外皮の質感は袱紗のようです。

袱紗といえば茶の湯や祝儀に用いられる高級な包み… 実はつやぶくさはこの袱紗をモチーフとしています。

また、つやぶくさの味わいは、大胆な見た目とは裏腹に上質です。焼き面の香ばしい風味や柔らかな生地の食感、粒あんの優しい甘みなど、シンプルながらも効果的にマッチした材料構成がおなかと心を満たしてくれます。

いかにも、つやぶくさは製法的には奇抜なお菓子です。通常の焼き菓子の真逆となる「逆ごね法」のレシピは、革命的ですらあります。

ただそれでいて、中身は驚くほどまっとうで、上質な質感と美味しさを発揮するギャップこそが、つやぶくさの真の魅力です。

分類や原材料

分類(水分量)生菓子
分類(製法)焼き物
主な原材料卵、砂糖、水

利用シーン

つやぶくさは製法は独特ですが、味わいはオーソドックスな焼菓子です。普段のおやつからお茶請け、お土産、贈答、見舞いなど幅広いシーンで活躍します。通販も可能です。材料は小麦粉、砂糖、卵など手に入りやすいものばかり。「逆ごね法」を覚えて手作りするのもおすすめです。

  • おやつ、お茶請け
  • お土産、お見舞い、御礼
  • 手作り

有名なつやぶくさ

参考資料

つやぶくさのレビュー

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