よもぎ餅の由来・歴史や特徴

よもぎ餅のイラスト(和菓子の魅力)
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由来・歴史

よもぎ餅の由来をたずねると、平安時代にたどりつきます。

それ以前にはほぼ無かった「よもぎ」の字を用いた文章が、平安期に入り、かな文(ひらがなのみの文章)で見られるようになりました。

よもぎ餅の主材である、よもぎ草はこの時すでに日本人にとって身近な存在だったことが分かります。

よもぎは、はじめ薬草として、のちに食用として、ついに和菓子の材料となって「草餅」に用いられました。

草餅は平安時代まで母子草(ははこぐさ)を練りこみましたが、室町頃からよもぎが使われるようになり、‶よもぎの草餅″こと「よもぎ餅」が誕生したと考えられます。

江戸期に入ると、よもぎの草餅は「母子草の草餅」から完全に分離独立。晴れてよもぎ餅として定着をなしとげ、上巳の節供に供える行事食としての役割をになうこととなりました。

ここで思いあわされるのは菱餅です。

菱餅は赤・緑・白の3色デザインが特徴的ですが、ルーツはよもぎ餅と同じ草餅にあり、しかも3色のうち、緑の餅には「蓬」(よもぎ)が用いられました。ともに草餅から派生した菱餅とよもぎ餅には浅からぬ接点があり、両者は同じ草餅という親をもつ兄弟姉妹といえるかもしれません。

その後、よもぎ餅の歴史は現代に綿々と受け継がれ、行事食の厳粛さだけでなく適度なカジュアルさも身につけました。ハレの日から日常使いまで対応する多目的な大衆餅菓子へ成長したのです。

特徴

よもぎ餅は、米粉やもち米に砂糖、水などの材料を加えて練って作ったお餅に、よもぎの葉を練りこんで食べる季節の餅菓子です。

草餅や菱餅と同様、春の行事食として知られ、毎年3月3日の上巳の節句に食べる習慣が受け継がれています。

よもぎ餅のレシピは蒸したお餅であんこを包んだり、きな粉をまぶしたりして食べるのが定番です。ただ、味わい全体はよもぎの香りがリードします。

独特のナチュラルでやさしいよもぎの香りは心地よい気分にひたらせるだけでなく、あんこやきな粉の甘さや旨味、お餅の食感を効果的に引き立て、少量でも十分な食べ応えがあります。また、蒸すだけでなく焼いて作ればさらに風味が増すと評判です。

‶うなぎ屋は煙を食わせる″に対抗して、‶よもぎ餅は香りでおなかを満たす″といったところでしょう。

一方、よもぎ餅は中身は同じでも呼び名は地域によって異なります。

例えば、よもぎを「よごみ」と称する地域(福井から近畿)では、よもぎ餅の名は「よごみもち」です。同様によもぎを「もち草」と称する東北南部から関東中部では「もち草まんじゅう」、九州の「ふつ」(よもぎ)で作った餅は「ふつもち」、沖縄の「フーチーバー」(にしよもぎ)で作れば「フーチーバー餅」となります。

もっとも、呼び名はいろいろあってもテーマは一つ。よもぎ餅をよもぎ餅たらしめるエッセンスはよもぎの葉にあります。

分類や原材料

分類(水分量)生菓子
分類(製法)餅物
主な原材料もち米・米粉・よもぎ・あずき餡

利用シーン

よもぎ餅は春の行事食ですが、お店では年中食べられるほか、シーズンに関係なくお取り寄せも可能です。また、よもぎは香りだけでなくビタミン、カロチン、食物繊維、葉酸なども含んでいるため、楽しく味わいながら栄養補給もできます。

  • おやつ、お茶請け
  • 春の行事食として(ひな祭り)
  • 手土産、挨拶、贈り物

有名なよもぎ餅

参考資料

よもぎ餅のレビュー

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