ぜんざいの由来・歴史や特徴

ぜんざいのイラスト(和菓子の魅力)
目次

由来・歴史

ぜんざいの由来は、平安期から出雲地方に伝わる「神在祭」(じんざいさい)に用いた、お供え餅の「神在餅」(じんざいもち)にあるといわれています。

神在祭は、旧暦10月(神無月)に全国の神々が出雲に集まって神議を執り行う行事です。そのイベントで神々に供されたのが、のちのぜんざいのルーツとなった神在餅でした。

ぜんざいと出雲のつながりに関しては、「祇園物語」(江戸中期刊行)や「梅村載筆」(林羅山の随筆)、「倭訓栞」(谷川士清著)、「雲陽誌」(出雲地誌/1717年成立)など、さまざまな文献による証言が得られており、いずれもぜんざいの由来が出雲にあったことを強力に支持しています。

やがて、神在餅は発音をかえて「ぜんざい」となり、さらに出雲を飛び出して京都、江戸、全国へと広まっていきました。名称(発音)変更には段階があり、「じんざい」から出雲弁が訛っていったんは「ずんざい」となり、のちに「ぜんざい」に落ち着いたと伝えられています。

こうしてぜんざいは、神々への歓待料理から大衆和菓子となり、多くの名物甘味を生み出すこととなりました。

現在では、関東風、関西風などバリエーションも多様化し、庶民の憩いのひとときを豊かにする名物和スイーツとして揺るぎない人気を確立しています。

他方、出雲地方ではお正月にお雑煮の代わりにぜんざいを食べるなど、行事食としての伝統も継承されています。

特徴

ぜんざいは、小豆を主原料に餅や白玉、砂糖、塩などの材料で作る料理のような和菓子です。

水で洗った小豆を鍋で煮詰めた後、砂糖と塩を加えて炊き上げ、煮立ったら餅や白玉を入れ器によそって完成します。シンプルなレシピですが、鍋に小豆と水を入れて煮る⇒沸騰したらゆで汁を捨てる、の工程を3~4回繰り返すことが必要です。

俗に「茹でこぼし」と呼ばれる工程ですが、これを入念に行うことで、小豆の雑味を取り除き、上品な仕上がりになります。

ぜんざいは、小豆雑煮とも呼ばれる料理に近い和菓子であり、まるで食事をしたような満腹感を得られるのが特徴です。また、余分な材料が入っていないため、小豆本来のコクのある味わいや香りをしっかり堪能できます。

一方、一口にぜんざいと言っても、関東と関西では概念が異なります。

まず関東では、‶汁気のない″小豆あんにお餅や白玉を添えたものをぜんざいと呼び、汁気のあるものは「おしるこ」と呼ぶのが一般的です。

逆に関西では、‶汁気のある″つぶあんにお餅や白玉を添えたものをぜんざいと呼び、こしあんを煮詰めたものを「おしるこ」と呼んでいます。

使用する素材に大きな違いはなく、小豆など自然素材の恵みを最大限に活かす製法が共通の特徴となっています。

ぜんざいは、食事をしたようでもあり、デザートを食べて幸せになったようでもあり、かつ冬に食べると体が暖まる一石三鳥の和菓子です。

分類や原材料

分類(水分量)生菓子
分類(製法)餡物
主な原材料小豆・砂糖・餅・水など

利用シーン

ぜんざいは、お店で出来立てを食べるのが一番ですが、レトルトぜんざいも販売されており、買って家で食べたり、お土産にしたり、贈り物にすることも可能です。また砂糖を調整することで、自分好みの甘さにできるため、健康重視の方には手作りもおすすめ。

  • おやつ、デザート
  • お土産、贈り物

有名なぜんざい

参考資料

ぜんざいのレビュー

*準備中です

和菓子の種類一覧ページへ

トップページへ

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次