饅頭の由来・歴史や特徴

饅頭のイラスト(和菓子の魅力)
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由来・歴史

日本の饅頭の歴史は、中世(鎌倉時代〜室町時代)に始まります。

鎌倉時代中期(1241年頃)に、日本の禅僧・聖一国師(しょういちこくし)が、留学先の宋より帰国し「酒饅頭」の製法を伝えたほか、室町時代中期(1341年頃)には、中国人の林浄因(りんじょういん)が日本人の龍山禅師とともに来日し、奈良で饅頭づくりを開始しました。

当初は、小麦粉を練って丸めて蒸しあげた程度の素朴なものでしたが、後に餡(あん)を入れて売り出したところ、美味しい饅頭が好評を得て、足利将軍にも献上して喜ばれたそうです。

また同じ頃、饅頭と一緒に「点心」(軽食・間食)の習慣も伝来し、国内では「茶道文化」が普及したことで、喫茶としての饅頭、茶の子(茶うけ)としての饅頭が供されるようになりました。

安土・桃山時代(1568年~)に入ると、ヨーロッパから南蛮菓子が伝わり人気を博しますが、饅頭業界のスタンスは対立ではなく、共存あるいは融合を選択。かえって南蛮の製糖技術を取り入れたことで、より豊かな甘味の効いた美味しい饅頭へと進化を遂げたのです。

その後、近代・現代に入っても日本の饅頭は、さまざまな改良がなされ、試行錯誤と創意工夫によって、発展と成長をしながら今日に至っています。

今や饅頭は、日本の伝統食品として完全に定着。全国各地で名物となっており、味や食感、色、形などバリエーションも多彩になったため、私たちはいつでも、好みに合った饅頭を味わい楽しめるようになりました。

特徴

饅頭は、庶民的で多様性のある和菓子です。

お月さまのように丸くふっくらとした饅頭の形は、素朴な見た目ですが、誰にとっても親しみやすく、大きさも値段も手ごろです。ちょっとした手土産から、お茶うけ、祝儀、ギフト、婚礼まで幅広いシーンになじみます。

味は、あんこの上品な甘さが定番ですが、中身は、こしあん・つぶあん・白あん・栗あんなど種類が豊富にあって、それぞれ個性の異なる味わいが魅力的です。

製法は、生地に餡を包んで蒸し上げる「蒸し饅頭」が有名ですが、オーブンで焼いたり、蒸してから焼き上げる「焼きまんじゅう」もあります。蒸し饅頭のなかにも、酒饅頭・黒糖饅頭・そば饅頭・利久饅頭・薄皮饅頭などさまざまな製品があり、焼きまんじゅうにも、栗饅頭・カステラ饅頭・茶通などバリエーションが多彩です。

生地は小麦粉・米粉がメジャーですが、そば粉、片栗粉、生麩、黒糖、山芋を混ぜて皮を作ることもあります。材料や中身が違えば風味も変わってきますから、この点、饅頭の味わい方は、素材の数だけ無限大に存在すると言っても差し支えないでしょう。

その他、四季折々の風情や土地の名産をモチーフにしたり、色合いに取り入れたり、個性的な形状にしたりするなど、デザインの多様性も饅頭の持ち味です。

このように、誰にとっても親しみやすい「庶民性」と、さまざまな種類を楽しめる「多様性」こそが、日本饅頭の最大の特徴といえるでしょう。

分類や原材料

分類(水分量)生菓子
分類(製法)蒸し物、焼き物
主な原材料小麦粉・小豆あん・砂糖(その他、饅頭の種類によって変わります)

饅頭の味は、材料や製法によってさまざまです。

酒饅頭はお酒の香りと小豆餡の甘味、塩饅頭は塩気のあるあっさりした甘味があります。そのほかにも、ほくほくとした栗の味(栗饅頭)、塩で甘さをおさえた塩饅頭の味、香ばしさと素材の風味が引き立つ焼きまんじゅうの味などがあり、バリエションが豊かです。

利用シーン

  • お祝い事(誕生日・卒業式・還暦・結婚祝)
  • 季節行事(ひな祭り・お花見・七夕祭り)
  • 法要(一周忌・三回忌等)
  • 手土産、旅行の土産、
  • ギフト、お中元・お歳暮
  • お茶うけ、喫食、おやつタイム、家族団らん
  • ストレス解消・癒し・小腹が空いたとき
  • 自分へのご褒美

日常使いから特別な日まで、饅頭はさまざまな場面で利用されています。

有名な饅頭

日本には「日本三大まんじゅう」と呼ばれる饅頭があります。

  • 塩瀬総本家「志ほせ饅頭」(東京都)
  • 大手饅頭伊部屋「大手まんぢゅう」(岡山県)
  • 柏屋「柏屋薄皮饅頭」(福島県)

参考資料

饅頭のレビュー

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