由来・歴史
かりんとうの起源は、遠く奈良時代(710~784)にまでさかのぼります。
同時代に中国から「唐菓子」が日本に伝来し、米や小麦粉をこねて油で揚げ、甘葛(あまづら)で甘味を足して作ったさまざまな種類のお菓子が伝えられました。そして「材料をこねて油で揚げる」という原理的な製法が、かりんとうの出発点になったと思われます。
かりんとうの名前の由来は、形状が「かりん」の実に似ていたからとする説や、噛んだときに響く「かりん!」という音を由来とする説もあるなど、確かなことは分かっていません。
現代のかりんとうの原型が定まるのは、江戸時代です。
江戸初期から中期にかけて、江戸では京菓子(京都の高級菓子)に対抗して上菓子(江戸の和菓子)ブームが起こります。そしてさまざまな種類の和菓子が競って作られるなか、かりんとうも誕生しました。
江戸の下町では「かりんとう売り」が登場し、庶民の味覚を盛り上げるのに大きく貢献。製法も、こねた小麦粉を棒状にして油で揚げるという、現在のかりんとうそのものといっていいスタイルだったようです。
こうして、かりんとうは江戸を中心に広がっていき、‶大衆向け″という上菓子のDNAをしっかり受け継ぎながら、高級菓子ではなく庶民の駄菓子としての地位を確立しました。
明治以後も、かりんとうの伝統は引き継がれ、多種多様な形と味わいの商品を生み出しつつ、令和の現在も息長く繁栄を続けています。
特徴
かんりんとうは、小麦粉・砂糖・塩・水等の材料に膨張剤を加えて練り合わせ、生地を油で揚げて作る駄菓子。仕上げの最後に黒砂糖又は白砂糖をまぶして乾燥させたら完成です。
簡単に作れるお菓子ですが、優しい甘さと香ばしい風味、食べ応え十分なザクっとした食感など、申し分のない豊かな味わいを提供してくれます。
かりんとうの魅力ポイントの一つは、毒気のないほのぼのとしたルックス。華やかではありませんが、イモ虫のようにくねくねした形状には、なんともいえない愛嬌があり、食べる前からほっとした気持ちになります。意匠は棒状が定番ですが、板状、四角形、ランダム、おかきのような丸い形もあります。
表面にまぶしつけるのは黒砂糖か白砂糖ですが、見かける機会が多いのは黒砂糖味の「黒かりんとう」です。白砂糖タイプも人気が高く、こちらは「白かりんとう」として知られています。いずれも美味しいことに変わりはありません。
かりんとうは、硬い駄菓子ですが、同時に砕けやすい性質も備えているため、心地よい食感とともに無理なく気持ちよく食べられます。見た目とは裏腹に、歯ごたえが柔らかいタイプのかりんとうもあり、歯とあごが疲れにくいのが嬉しい利点。(ただ、種類によってさまざまで関西・姫路のかりんとうはけっこう硬めの歯ごたえです)
あえて欠点をいうなら、美味しさのあまり、ついつい食べ過ぎてしまうことでしょう。
それほど、かりんとうは誰からも愛される庶民のための和菓子です。
分類や原材料
分類(水分量) | 干菓子 |
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分類(製法) | 揚げ物 |
主な原材料 | 小麦粉・砂糖・水・イースト・食塩・重曹 |
利用シーン
かりんとうは庶民の駄菓子として定着していますが、パッケージの中には格式の高いものも少なくないため、贈答品としても活用できます。食べ方も、生地に胡麻を加えたり、細かく砕いてクッキーに混ぜたり、ヨーグルトに添えたり、多彩なアレンジが可能です。
- おやつ、お茶請け、デザート
- 手土産、おもたせ
- ギフト、菓子折り、祝い事
有名なかりんとう
参考資料
かりんとうのレビュー
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