千歳飴の由来・歴史や特徴

千歳飴のイラスト(和菓子の魅力)
目次

由来・歴史

千歳飴の由来は、平安時代にルーツをもつ七五三のお祝いにあります。

七五三は子どもの健康と成長を願う伝統行事です。この儀式が江戸期に完成したさい、そこで用いられる縁起菓子の一つとして、千歳飴がラインナップされました。

千歳飴の「千歳」は「千年」と表記される場合もあります。すなわち、子どもの人生が千年に及ぶほど長寿になるようにとの願いが込められているのです。

同様に千歳飴を象徴する棒状の細長いデザインも、健康長寿をあらわしています。

その後、千歳飴は七五三の行事が盛んになるにつれて普及が進み、和菓子文化に定着しました。

詳しい沿革は分かりませんが、江戸中期には大衆的な飴菓子の一つとして人々に認識されていたようです。

例えば、文政8年(1825年)に刊行した「還魂紙料」(柳亭種彦著)によれば、元禄・宝永年間(1688年~1711年)に江戸浅草で飴売をしていた七兵衛という男が、千年飴もしくは寿命飴のことを長袋に「千歳飴」と表記したと記述されています。

そのため、千歳飴の大衆化はおそらく江戸中期以降ということになるでしょう。

江戸時代には砂糖の国産化と水飴の大量生産がはじまり、それに合わせてたくさんの種類の飴菓子が誕生した時期でもありました。

その中で千歳飴は生き残り、現代にいたっても毎年11月15日、七五三のお参りの時期になると、神社の混雑に負けぬほど大忙しの日々を送っています。

特徴

千歳飴は、砂糖と水飴を合わせて煮溶かし、冷やしながら形を整えて作る和菓子です。

古くから七五三のお祝いに用いられ、子どもの成長と健康を願う縁起のいい菓子として、発祥地の浅草を中心に各地で食されています。また名前から分かるとおり、金平糖や有平糖と並んで伝統的な“あめ物”としても有名です。

そんな千歳飴の特徴は、かわいいデザインと多様な味わいにあります。

外観は、パスタの束を思わせるようなシンプルな棒状の形と紅白2種(ツートン)が定番です。カラフルな印象ですが、毒気のない純粋な佇まいには親しみやすさと安心感があります。白×黄色、白×緑などカラーパターンも豊富です。

一方、千歳飴の味わいは砂糖と水飴がベースにあります。空気を含んだ軽い口当たり、ほのかな甘み、しつこくない味は毎日舐めても飽きがきません。
ただ、風味は多種多様です。抹茶、ミルク、イチゴ、レモン、グレープ、練乳・生クリームなど、それぞれ違う美味しさが楽しめます。

千歳飴は純粋で安心感のある見た目ですが、材質はデリケートでか弱く、非常に折れやすいです。その意味ではまさしく子ども向き、あるいは成長過程の子どもを表現したお菓子といえるかもしれません。

棒状に細く長く伸びた千歳飴は、子どものように、未成熟ながらも“伸びしろ”を感じさせるお菓子です。

分類や原材料

分類(水分量)干菓子
分類(製法)飴菓子
主な原材料水あめ・砂糖

利用シーン

千歳飴は日常のおやつ・茶菓子として用いるのもOKですが、スタンダードは七五三のお祝いです。神社・お寺の境内で自分のために購入したり、こちらが七五三のお祝いをいただいたときは、お礼の菓子折りに千歳飴をそえて贈ったりすると喜ばれること間違いなしです。

  • おやつ、茶菓子
  • 七五三のお配りもの
  • 結婚式、内祝い、記念日

有名な千歳飴

参考資料

千歳飴のレビュー

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