由来・歴史
すはまの由来は、中世鎌倉時代までさかのぼることができます。
2度目の元寇が起きた弘安年間(1278年〜1288年)、京都にあった「松寿軒」という菓子店が、すはまの原型を考案したとする説が有力です。
ただし、当時のすはまの形状は今日の「州浜形」ではなく、名称も「すはま」ではなかった可能性があります。
それが証拠に、江戸初期まで、すはまは豆飴と呼ばれていたことが確認されているほか、外観も州浜形ではありませんでした。
すはまが名称も形も「州浜」となるのは、明暦3年(1657年)以降です。
この年、和菓子の老舗「御洲浜司 植村義次」が創業。(2016年に閉業) そして、創業者の植村義次が、浜辺の輪郭にできる曲線美をデザインをした州浜を考案しました。
素朴な形の豆飴から、写実的に描出した芸術和菓子「すはま」(州浜)へ変貌をとげた歴史的瞬間です。
以降、すはまの世界は拡大をつづけていき、人気・実力ともに日本トップクラスの和菓子となり、宝暦年間(1751年~1764年)には日本四大菓子(朝鮮飴・州浜・小倉野・落雁)の一つに数えられました。
現在のすはまは、マイナーなお菓子と思われていますが、鎌倉時代から続く歴史には一切のかげりが見られません。
京都銘菓として不動の地位を得るほか、京都三大祭りのひとつ葵祭の際には下鴨神社の御神饌として、数百年にわたってすはまが献上されています。
特徴
すはま(州浜)は、すはま粉・きな粉に砂糖、水飴、求肥などを練り合わせて作る京都名物の和菓子です。
半生菓子の一種で、岡物でありかつ練り菓子の要素もあるなど、多様な形態が入り混じっています。
特色として挙げられるのは、素朴な味わいと独特な形状です。すはま粉・きな粉の香ばしい香り、水飴の柔らかい食感、求肥を練りこんだ餅のようにコシのある食感など、王道の普遍的な味わいが楽しめます。
すはまの形状は、すはまの名称の由来でもある「州浜」を模したデザインが有名です。州浜とは、浜辺の輪郭にできる曲線のことで、すはまのレシピでは、材料を練り上げる際、切り口が州浜の形になるように成形します。
ただ、作り方にはバリエーションがあり、すはま粉の原料である豆を模したり、団子状にした「すはまだんご」もあります。
すはまの主な材料は、すはま粉又はきな粉です。いずれも大豆を炒って挽いて粉にしますが、すはま粉はきな粉と比べて炒り方が浅いため、あっさりした風味になります。ついでながら、大豆の他に青豆を用いたすはま粉もあり、こちらは青すはま粉と呼ばれます。
すはまは全国的には知名度が高いとはいえません。しかし、かつては日本四大菓子の一つに数えられたこともある実力派。
とくに、優美な州浜の芸術にいやされながら食するとき、伝統和菓子の真のおいしさを味わえるでしょう。
分類や原材料
分類(水分量) | 半生菓子 |
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分類(製法) | 岡物 |
主な原材料 | すはま粉、きな粉、砂糖、水飴、求肥 |
利用シーン
すはまは伝統和菓子ですが、味わいは素朴で普遍的です。贈り物といわずハレの席といわず、おやつや間食など普段使いもできます。京都銘菓ですが、全国から通販・お取り寄せも可能です。レシピがシンプルなため、自分で材料を揃えて手作りするのもよいでしょう。
- おやつ、お茶漬け
- ギフト、祝い菓子、
- お土産、お見舞い
- 手作り
有名なすはま
参考資料
すはまのレビュー
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