秋の和菓子には、秋の味覚を使用した和菓子や昔から伝わる秋の行事で生まれた和菓子があります。秋の和菓子には、おはぎ、月見団子、栗きんとん、亥の子餅などがあります。
秋の和菓子は?
秋は、さまざまな作物が豊かに実る収穫の季節です。余裕と安定感を見せる一方、スポーツの秋といわれるとおり活動的でもあります。果たして、秋の和菓子も、派手さ控えめながら個性派ぞろいの顔ぶれがラインナップしました。
どっしりとふくよかな「おはぎ」、秋のお月見に供える「月見団子」、秋の味覚を素材に用いた「栗きんとん」「きんつば」、見た目も味わいも心をなごませる「亥の子餅」まで…。
このページでは、秋の代表的な和菓子5選をピックアップ。各和菓子の特徴を解説していきます。
秋の和菓子一覧
おはぎ
おはぎは、もち米とうるち米を混ぜてついたお餅をあんこやきなこで包んだ伝統和菓子です。心を和ませるふくよかな見た目と、もっちりした食感、上品なあんの甘みに魅力があります。大衆的なお菓子として定着していますが、古くは厄除けに用いられた歴史があり、現在もお彼岸や四十九日の法要に食されるなど行事食としても活躍します。
月見団子
月見団子は、秋のお月見の定番和菓子です。満月に見立てた丸い団子だけでなく、秋に収穫を迎える「里芋」を模した楕円形の団子もあります。地域性が色濃く、満月型は関東、里芋型は関西の月見団子です。歴史に姿をあらわしたのは江戸時代。以来、美しい満月と収穫を祝う十五夜・十三夜に供える行事食として受け継がれてきました。
栗きんとん
栗きんとんは、秋の味覚として名高い「栗」を素材にした岐阜の特産和菓子です。蒸した栗に砂糖を加えて鍋で練り上げ、茶巾で絞って栗の形に成形します。栗の香りと上品な甘みに包まれた自然由来の風味が格別です。江戸時代後期、栗の産地でもある岐阜県中津川で誕生し、多くの菓子職人が切磋琢磨しながら成長・発展をとげました。
きんつば
きんつばは、京都で生まれた伝統的な焼き菓子です。鍋であんこ・寒天を混ぜ合わせて煮詰めたあと、小麦粉をまぶして四角に焼き上げます。重みのある武骨な外観に、小豆あんのなめらかな食感とみずみずしい味わいが魅力です。ルーツは江戸初期に清水坂で作られた焼餠。名前は焼き目の色(金/銀)と刀の「鍔(つば)」に由来します。
亥の子餅
亥の子餅は、イノシシの子ども(うり坊)を形どった、かわいらしい姿のお餅です。平安以来の伝統行事「亥の子」に供する行事食として、11月(旧暦10月)の最初の亥の日・亥の刻に食べられています。求肥に多種の穀物を混ぜ込んで作るレシピは、無病息災の願いが込められているほか、実り豊かな秋の季節和菓子としても最適です。
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