由来・歴史
ぼうろの由来は、16世紀にポルトガルから日本に伝わった南蛮菓子の「ボーロ」にあります。
ボーロはポルトガル語でケーキ等のお菓子を総称する言葉で、固有のお菓子をあらわすものではありません。
当時、日本に伝来したさまざまな南蛮菓子の中に、硬いクッキーのようなお菓子があり、これを日本人が「ぼうろ」と称するようになったといわれています。
こうして、日本ぼうろの歴史は、つなぎの卵や生地を膨らませる重曹さえまだ入っていない、硬いクッキーと出会うところからはじまりました。
その後、江戸期、幕末と時代が深まるにつれて、ぼうろは目ざましい発展を遂げていきます。
多くの菓子職人たちによって、日本人の味覚に合ったものが食べられるようにと、少しずつ時間をかけて、ぼうろに改良が加えられたのです。
これにより、当初は硬いクッキーだったぼうろが、新たに卵、蜂蜜、重曹等の材料が加わることで、しっとりと上品で口溶けの良い日本人好みの豊かな味わいへと進化しました。
やがて、佐賀の丸ぼうろ、京都の蕎麦ぼうろ、関東のたまごぼうろ、大阪の乳ボーロ、衛生ボーロ等、バリエーションが充実したことで、小さな子どもからお年寄りの方まで、幅広い世代の方がぼうろを楽しめるようになったのです。
最初の伝来から400年以上がたった今、ぼうろは洋菓子ではなく日本的センスに満たされた和菓子として広く認識されています。
特徴
ぼうろは、小麦粉に卵、砂糖、蜂蜜などを加えて生地を整え焼いて作る佐賀や京都の銘菓です。
16世紀に伝来した南蛮菓子がルーツですが、日本独自の発展を遂げ、現在は和菓子として定着しています。
日本のぼうろは大きくわけて3系統があり、「佐賀の丸ぼうろ」「たまごぼうろ」「蕎麦ぼうろ」が有名です。
佐賀の丸ぼうろは、円盤型の素朴な形状と茶色い焼き色が特徴で、小麦粉に卵、砂糖、蜂蜜、重曹などを混ぜ合わせ、型抜きをした生地を天火(オーブン)で焼いて作ります。素朴な見た目とは裏腹に、しっとりした食感とカステラのような香ばしさが魅力です。
たまごぼうろは、卵ぼうろ、衛生ぼうろ、乳ぼうろ、栄養ぼうろ等とも呼ばれる、小さくて可愛い球状タイプのぼうろの総称です。馬鈴薯を主材料に砂糖、卵、牛乳を加えて丸く固める製法が特徴で、繊細な歯ざわりとナチュラルな口溶け食感は、離乳期の赤ちゃんでも食べられる安心なお菓子として知られています。
蕎麦ぼうろは、明治初期に誕生した京都銘菓です。一般的なぼうろの主材料である小麦粉、砂糖、卵に「そば粉」を加えて練りこみ、真ん中に穴を開けた‶梅花型″に焼き上げます。味わいは、和風クッキーとも言うべきサクサクした歯ごたえと、野趣あふれる香ばしい蕎麦の風味が格別です。
以上、日本のぼうろは3種類が製造されており、それぞれに個性豊かな味わいの世界を堪能できます。
分類や原材料
分類(水分量) | 干菓子 |
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分類(製法) | 焼き物 |
主な原材料 | 小麦粉、馬鈴薯、砂糖、鶏卵、牛乳 |
利用シーン
ぼうろは、本場の味を買って食べるのはもちろん、材料が手に入りやすいため、家庭で作ってみるのもおすすめです。佐賀の丸ぼうろは比較的大人向け、口に入れるとすぐ溶ける乳ぼうろや衛生ぼうろは、お子様のおやつや赤ちゃんの離乳食にも最適です。
- おやつ、お茶請け、コーヒーのお供
- プレゼント、手土産
- 赤ちゃんの離乳食
有名なボーロ
- 佐賀県の丸ぼうろ
- 京都の蕎麦ぼうろ
- 西村衛星ボーロ本舗の衛星ボーロ
参考資料
- 近代京都における乳食文化の受容と菓子―南蛮菓子と西洋菓子―
- 郷土料理レシピ 丸ぼうろ|霧島食育研究会
- 丸ぼうろとは
- 蕎麦の素材と南蛮菓子の手法を融合した銘菓「蕎麦ほうる」|総本家河道屋
- ボーロとばれいしょでん粉|農畜産業振興機構
ボーロのレビュー
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