由来・歴史
日本におけるカステラの歴史は、16世紀後半の安土・桃山時代にはじまります。
南蛮貿易が盛んになった時期に、さまざまな洋菓子が日本にもたらされ、その中にはカステラも含まれていました。
発祥地はポルトガルですが、カステラの名前の由来は、後のスペインを構成した州の一つ「カスティーリャ」です。
1592年には、南蛮商人から製法を習った初代長崎代官の村山等安が豊臣秀吉にカステラを献上。キリスト教を拒否した秀吉でしたが、カステラのことは大いに喜び歓迎したようです。
最も画期的だったのは、材料の「卵」です。鶏卵を食べることがタブー視されていた当時の日本人にとって、卵を食品の材料に使うのは一種の革命でした。
そしてこのことは和菓子全体の発展に影響を与えることになり、卵がタブーでなくなったことで、さまざまな和菓子のオリジナルメニューを生み出す契機となったのです。
かくして江戸時代以降、続々と和製カステラが作られるようになります。
1624年には長崎の福砂屋が本格的なカステラ製造を開始し、他の菓子屋も続きました。さらにその後も普及と発展は進んでいき、明治期に入ると文明開化の追い風におされてカステラは日本全国に広がっていきました。
現在もカステラ文化は脈々と受け継がれており、洋菓子のようでもあり和菓子のようでもあるという、一種独特な和洋折衷のオリジナル菓子としての地位は盤石です。
特徴
カステラは、ポルトガル発祥の生菓子・焼き物の一種です。
小麦粉・砂糖・鶏卵というシンプルな材料を混ぜ合わせ、平鍋やオーブンで焼き上げると、スポンジケーキのような、ふっくらとした形のお菓子が出来上がります。
見た目は洋菓子の風情ですが、小麦粉をおさえて卵と砂糖の割合を多くしているため、食べてみれば和菓子であることも実感できます。ふんわりした生地の食感と濃厚でコクのある甘い味わいは、緑茶、紅茶、コーヒーにぴったりです。
また、糖分には保水性があり、砂糖を多く使う日本カステラはスポンジケーキと比べてしっとり感を出しやすいのも特徴といえます。
ですからカステラは、和と洋をいいとこどりした「和洋菓子」とも定義できるでしょう。
種類は長崎カステラが有名ですが、いちごカステラ、チーズカステラ、抹茶カステラ、チョコレートカステラ、はたまたロールカステラや蒸しカステラに至るまで、見た目や風味の異なるさまざまなバリエーションがあります。
材料の配合比が変われば風味が変わり、卵が違うだけで味わいが変化することも珍しくないさまざまなカステラを食べ比べて見るのは楽しいものです。
「洋菓子か?和菓子か?」と悩むより、さまざまなタイプのカステラの中から、自分に合ったオンリーワンのカステラを見つけてみてください。
分類や原材料
分類(水分量) | 生菓子 |
---|---|
分類(製法) | 焼き物 |
主な原材料 | 鶏卵・小麦粉・水飴 |
利用シーン
カステラは和洋兼用の便利な和菓子です。幅広いテイストやシチュエーションに対応できます。日常使いから贈り物、お祝い、法事まで場所や用途を選ばないのが強みです。
- 日常使い、おやつ、お茶うけ
- 贈り物、ギフト、お土産
- お中元、お歳暮
- 記念日(卒業、成人、還暦、古希、喜寿)
- お祝い、出産、結婚内祝い
- 法要の引き出物
- イベント 他
有名なカステラ
- 福砂屋のカステラ(長崎県)
- 松翁軒のカステラ(長崎県)
- 文明堂のカステラ(長崎県)
- 松浦軒本店のカステーラ(岐阜県)
参考資料
カステラのレビュー
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