餅菓子の由来・歴史や特徴

餅のイラスト(和菓子の魅力)
目次

由来・歴史

餅菓子の歴史は、稲作の成長と歩みを同じくしています。

日本で本格的な米作りがはじまった弥生時代(紀元前300年~)。この頃すでに、米と麦を混ぜて作った餅の一種が存在していたことがわかっています。現在のように完成されてはいませんでしたが、餅菓子の原型となるものが作られていました。

次いで時代が移り、奈良時代に成立した「豊後風土記」には、‶米で作った餅を矢で射ると白い鳥になった″伝説が記録されており、上代にはすでに米文化が成熟し、かつそれに合わせて餅文化も日本に根を下ろしていたことがわかります。

さらに、奈良時代~平安時代にかけては、中国由来のお菓子である唐菓子の伝来もあり、油で揚げた餅や団子、椿の葉で生地と中身を挟んだ今日の「椿餅」の原型が誕生したことも伝えられています。

中世に入ると、ふたたび中国から点心・喫茶・茶道が伝来。この3点セットを通じて日本人の和菓子への嗜好性が高まるとともに、お餅文化が一般化する端緒を開きました。

「草餅」が生まれた江戸期に書かれた料理本「料理物語」(1643年)には、主な菓子が餅であったことも伝えられています。

そして近代以降、砂糖の入手が容易になったことで、甘味を増したさまざまな種類の餅菓子が多く作られるようになり、和菓子文化への定着と大衆化を果たしました。

歴史の流れは現在も続いており、餅菓子は今や押しも押されぬ和菓子界の大エースです。

特徴

餅菓子は、米や米粉を搗いたり練ったりして作ったお菓子の総称です。

蒸した米をそのまま搗くか、もしくは米粉を練って生地を作り、餡を包んであんこ餅にしたり、餅の中にフルーツを入れたり、よもぎを練りこんだり、ニーズに沿ったレシピで味付けをして形にします。

特に目を見張るのは、バリエーションの豊富さです。

お正月飾りの鏡餅、皮に求肥を用いた大福、お彼岸に供する牡丹餅・おはぎ、柏の葉で餅を包む柏餅、よもぎを練りこんだ草餅、お花見に欠かせない三色団子や桜餅、日本最古の呼び声高い椿餅、きなこをまぶした安倍川餅…などなど。

フレーバーを問わず、餅を使用した菓子はすべて餅菓子に含まれるのが一般的です。餅物は和菓子最大のカテゴリーであり、多種多様な製品に満ちあふれています。

ただし、餅菓子のエッセンスは飽くまでも「餅そのもの」。

丸みを帯びたふっくらとした姿、赤ちゃんのほっぺたのような優しい生地の手ざわり、もちもちした食感、弾力ある歯ごたえ、餅特有の粘り、柔軟性… このような素朴な性質の一つ一つが、お餅ならではの豊かな賜物です。

全国各地に郷土名物としての餅菓子があり、それぞれ味や見た目が異なっていても、餅自体の基本的な型は変わりません。

求肥について

餅菓子に使われる素材として求肥があります。求肥は、もち米を蒸してつくった餅に砂糖・水飴などを加えて煮て練り上げたもののことで、見た目も食感も餅に似ていますが、厳密には餅物ではなく練り物に分類されます。

分類や原材料

分類(水分量)生菓子
分類(製法)餅物
主な原材料もち米、砂糖

利用シーン

神仏へのお供えから大衆菓子に発展した餅類は、さまざまなシチュエーションに対応する万能和菓子です。生菓子のため保存に注意しつつ、幅広いシーンで活用できるでしょう。

  • おやつ、デザート、お茶請け、お取り寄せ
  • お祝い、内祝い、記念日、
  • 季節の贈り物、お中元、お歳暮、
  • お土産、ギフト、宴席
  • 法事、法要、行事食

有名な餅菓子

  • 赤福「赤福餅」(三重県)
  • 園田屋「朝鮮飴」(熊本県)
  • 伊勢屋本店「玉椿」(兵庫県)
  • 羽二重餅(福井県)

*羽二重餅は福井県内の複数の和菓子店で「羽二重餅」として販売されており1店に絞れないため、店名を掲載していません

参考資料

その他餅菓子のレビュー

歴史のある商品や、有名または知る人ぞ知る商品を厳選してレビューしています。

*当サイトでは「かしわ餅」「さくら餅」「わらび餅」など、餅菓子の種類ごとの商品レビューをしています。このページでは、そのどれにも属さない餅菓子、求肥を使ったお菓子を「その他餅菓子」としてレビューしています。

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